USB-Cが3口あるから、ノートPCを3台同時に急速充電できる。そんな期待を持って手に取ると、TAP-B114UC-2W は裏切られます。
サンワサプライの TAP-B114UC-2W は、電源タップとUSB充電器をひとつの筐体にまとめたクランプ固定式の製品です。目玉スペックの USB PD 65W は、USB-C を1口だけ使った時の値で、同時利用では出力が細かく分かれます。
三つの役割を分けて確認する
TAP-B114UC-2W は、机に挟んで固定するクランプ、ACを4口に分けるタップ、USB PDで充電する4つのポートを、ひとつの筐体に収めています。机まわりの電源を、一つの場所に集めるための製品です。
確認するのは、65Wの出力条件、AC側1350Wの別枠、クランプ固定の成立条件です。この3つは、それぞれ別の判断で、分けて確かめる必要があります。65Wという数字だけを見て買うと、机に付かなかった時や、3台同時に急速充電できなかった時に、期待と違う結果になります。
65Wは1ポート時の最大
スペック表の「USB PD 65W」は、USB-C を1口だけ使った時の最大値です。製品ページの仕様では、20V/3.25A の組み合わせで 65W と書かれています。
問題は、2口以上を同時に使った時です。サンワサプライ公式の説明では、USB-C を2ポート使うと 45W+20W になるとのことです。
PC Watch の記事は、メーカーサイトの画像として 30W+30W という表記も示しています。2ポート時の詳細は、資料によって2通りに分かれているんですね。
ここで押さえたいのは、どちらの表記でも「65Wが各ポートに出るわけではない」という点です。購入時に見るべきは、自分のノートPCが必要とする電力と、ポートの組み合わせで決まる配分の2つになります。
3ポート以上になると、さらに細かく分かれます。PC Watch の表記に沿うと、USB-C を3ポート使った時は 30W、12W、12W です。USB-A を含めて4ポート全部を使った時は、12Wずつになります。
65Wは一つだけ。
ノートPCを2台とも急速充電する使い方は、このタップでは成立しません。USB-Cが3つ並んでいても、同時に使えば各ポートの出力は下がります。
2台のノートPCを同時に充電する場合、45W+20W か 30W+30W の配分になります。2台とも必要とする電力がその範囲内なら急速充電できますが、片方が65W必要な機種なら、もう片方には十分な電力が回りません。各PCが必要とするW数次第で、可否が変わります。
65W ですべてのノートPCが満たされるわけでもありません。USB PD 対応の PC でも、必要な電力は機種ごとに違います。ゲーミングノートや高負荷作業では、65W では消費電力に追いつかず、維持充電に留まる場合があります。
維持充電というのは、バッテリー残量が増えない代わりに、減りが緩やかになる状態です。
現実的なのは、ノートPCに 45W、スマホに 20W を配る 2ポート時の使い方です。ここに USB-A の小物を1つ足すと、出力はさらに細かく分かれます。机の上で何台を同時に急速充電したいかで、このタップの評価は変わります。
AC4個口の1350Wと安全設計の役割
AC側の定格は 13.5A・100V で、合計 1350W までです。この枠は USB PD の 65W とは別に数えます。AC 側だけを数えて 1350W が上限で、USB 側の 65W はこの枠に足しません。
1350W というと広く見えますが、1200W 級のドライヤーを1台挿すと、残りは 150W までです。高消費電力機器を複数まとめる用途には、そもそも向いていません。
コンセントの配置は、前面に2口、背面に2口です。隣との間隔は 50mm あり、斜め差し込み口を採用しています。大型の AC アダプターを並べても、干渉を抑えられる配置です。
安全面では、ホコリ防止シャッター、絶縁キャップ、二重被ふくコード、PSE 適合があります。過電流保護と自動識別 IC も備わっています。
自動識別 IC は、挿した端末に合わせて充電電流を調整する部品です。
安全機能が、掃除を不要にするわけではありません。NITE は、プラグ周辺の綿ぼこりや湿気でトラッキング現象が起き、出火に至る経過を説明しています。シャッターやキャップはリスクを減らす部品で、設置場所とホコリの管理は残ります。
クランプ固定は天板40mmまで
クランプは、天板を最大 40mm まで挟めます。机の縁に本体を固定できるので、電源タップを床や机上に置く必要がなくなります。
ただし、天板が 40mm を超える机や、縁の形状が合わない机には付きません。幕板やケーブル受けがあると、挟む位置が制限される場合もあります。
付属の電源コードは 2m です。壁コンセントから机の縁まで 2m で届くかは、机の形によって条件が変わります。プラグは回転しないタイプなので、コンセントの向きに合わせて本体の向きも固定されます。
机を昇降させるデスクでは、下げた状態でコードが張らないかが条件です。2m という長さは、壁コンセントまでの距離と机の可動域を合わせて考えます。
向く机、向かない机
この製品の立ち位置は、ノートPC1台と小物を机上でまとめるタップです。机の縁に固定して、ノートPCの充電とスマホやイヤホンへの給電を同時にこなします。その範囲では、とてもよくできた構成です。
独立USB PD充電器と普通の電源タップを別々に置く構成は、65W以上やPPS対応を選びやすい一方、机上でACアダプターが増えてかさばります。USB-Cドックやモニター内蔵給電は映像出力やUSBハブもまとめられますが、ホストPCのUSB-C映像出力やモニター側仕様に依存します。TAP-B114UC-2W は映像やデータ転送を担わず、机への固定と電源分配に絞った製品です。
このタップが合う机は、天板が 40mm 以内で、縁にクランプを挟める形です。壁コンセントまで 2m で届いて、ノートPCをUSB-C 1口だけで使うなら、必要電力が 65W 以下で机上の電源はこれ1台に収まります。
スマホを同時に充電するなら、45W+20W の配分で動きます。ノートPCが45Wで足りる機種なら、スマホへの20Wを確保したまま運用できます。
逆に向かないのは、65W を超えるノートPCを使う環境や、3台同時に急速充電したい机です。高出力家電をまとめる用途にも、このタップは向きません。雷サージ対策を主目的にするなら、別のタップを選ぶべきです。
机に固定できない環境では、クランプの利点が消えるので、置き型のタップで十分かどうかも考えたいところです。
スペック表の「最大65W」を1ポート時の値だと読めるかどうか。机の天板とコードの長さが条件に合うかどうか。この2つを確認してから買うと、65W の数字に振り回されずに済みます。
個人的には、この出力配分の正直さが好印象です。3ポート全部で65W と書かないところが、この製品の信頼につながっていると思います。

出典
ケータイ Watch 机にガッチリ固定できるUSB-ACタップが超便利でサイコー!!!


