ノートPCとタブレットとスマホを持ち歩くたびに、カバンの中が黒い純正アダプターで埋まる生活に嫌気が差していないか?

重い荷物を減らそうと売り場へ行き、160Wと書かれたシルバーのAnker Prime Chargerを見かけたら誰だって飛びつきたくなる。公式ストアで1万8000円弱の値が付く高級機だ。

だが大きな数字だけを見てレジへ直行すると後悔する。

この機種はパソコン1台へ160Wを流す能力を最初から持っていない。数字の並びに隠れた裏側を把握しないまま買うと、高い勉強代を払う羽目になるはずだ。

160Wの数字を3つに割る

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パッケージに誇らしげに並ぶ数字は、給電の相手によってきれいに切り分けられている。普通のノートPCを単体で挿したときの上限は140W止まりになる。

じゃあ残りはどこへ消えたのか?

実は仕様表にある150Wという出力も、特定の自社製モバイルバッテリーを専用手順で繋いだ瞬間しか出ない。残りの160Wは二台や三台の端子を同時に使ったときの合計値を示している。端子の形が同じUSB-Cだからといって、何でも最大速度で給電できるわけがない。

看板の数字と実際の給電能力は別物だ。

ノートPCへ140Wを届けるためにも、機器側がUSB PD 3.1に対応している必要がある。さらにケーブルもEPR規格に適合した頑丈なものを用意しなければならない。充電器だけ背伸びしても、細いケーブルを使えば給電は低出力で頭打ちになるだろう。

前面のディスプレイが接続ケーブルの種類を判定してくれる親切さだけは素直に褒めたい。

3台同時に繋いだ出力の現実

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複数ポートを同時に使ったときの電力配分こそが、この機種の腕の見せ所になる。内部の制御技術が接続機器の種類やバッテリー残量を読み取って、合計160Wの枠を自動で振り分ける。

パソコン二台を繋げば約77Wずつ綺麗に割ってくれる。さらにスマホを加えた三台体制でも、それぞれに合わせた絶妙な出力配分を維持する。手動で面倒な計算をしなくても、挿すだけで仕事用の端末が同時に生き返る感覚は確かに快適だ。

ただし手のひらサイズの筐体にこれだけの仕事を詰め込めば、当然ながら熱は逃げ場を失う。

メーカーは一日一千万回以上の温度監視を行っていると説明する。それでも実機で三十分ほど複数端末へ給電し続けると、端子付近は約68度まで熱を帯びる。

触れないほどの熱暴走は防げても、物理的な発熱そのものが消え去るわけではない。

重さも公式値で約220gあり、実測でも200g台を記録する。スマホ用の小型充電器と同じノリでポケットに放り込むと、ずっしりした重みで服が垂れ下がる。

投資額を回収できる生活

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同じ三ポート構成の下位モデルである100W機なら、半額近くで手に入って重さも約168gと軽い。カフェでスマホやタブレットをのんびり充電する程度なら、そちらを選んだ方が財布へのダメージは圧倒的に少ない。

君なら倍近いお金を出してまでこの重い上位機を選ぶだろうか?

僕はこの価格のうち、賢い電力配分とディスプレイの設計に払う正当な対価は1万2000円分くらいだと考えている。残りの6000円ほどは、最新の140W規格を詰め込んだことに対するプレミアムだ。普段から高出力を必要としない人にとっては、単なる過剰投資で終わってしまう。

この投資が正義に変わるのは、持ち歩く端末の数で元が取れる人だけだ。

毎日140W級のノートPCを酷使し、タブレットやスマホをデスクで同時に充電したい人にとっては、散らかったアダプターを1台にまとめられる強力な相棒になる。まずは今日カバンに入れている端末の充電仕様を調べて、本当に140Wが必要なのかを確かめよう。

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