10月20日、Androidのマイナンバーカードがついに始まった。
スマホをかざすだけで、学園祭の年齢確認の列を抜けられる。相手に伝わるのは20歳以上かどうかだけで、名前も住所も見せずに済む。
財布ごと家に残して模擬店を回れる日が、やっとAndroidにも来た。
ところがAndroid 12に上げたスマホでも、門前払いを食らう機種がある。
一番青ざめるのはiPhoneから1年4か月待たされたAndroid持ちの大学生だろう。手元の機種が対象外なら、今年の学園祭も実物カードを財布に入れて歩く羽目になる。
君のスマホ、中に専用の安全チップは入ってる?
スマホで出せる中身
今回スマホに入るのはカード表面の情報そのものだ。氏名、住所、顔写真、個人番号まで画面から出せてしまう。
いままでのAndroidは電子証明書止まりだった。マイナポータルへのログインやコンビニでの証明書交付には使えても、券面を人に見せる手段は無かった。
やっと券面まで持ち出せるようになったわけだ。
年齢確認の作りがかなり賢い。読み取る側の「マイナンバーカード対面確認アプリ」が受け取るのは20歳以上か20歳未満かの区分だけ。実年齢も住所も受付の学生スタッフには渡らない。
情報をスマホへ集めながら、見せる量は絞れる。必要な分だけを出す設計に、僕は素直に拍手したい。
ただし相手側の準備が要る。店や受付が対面確認アプリを入れていなければ、スマホを差し出しても通らない。
スマホ一台でどこでも本人確認とは、まだいかないだろう。
登録の入口でカード登場
カードを持ち歩かないための登録に、実物のカードが要るってどういうこと?
答えは単純で、初回だけICチップを読ませて本人を確かめる仕組みになっている。
初回登録で手元にそろえる物は、対応するAndroidスマホと実物のマイナンバーカードがまず二つ。加えて署名用パスワードと数字4桁の暗証番号を思い出しておく必要がある。スマホにはマイナアプリ、Google ウォレット、おサイフケータイアプリの三つを入れておこう。
手順は顔の動きの撮影、暗証番号の入力、カードのICチップ読み取りと続く。終わったらスマホ用の暗証番号かパスワードを決めて、生体認証などの端末ロックも有効にする。
署名用パスワード、カードを作った日から一度でも打った?
カードを受け取った日に決めたきりのパスワードを覚えている人は少数派だと思う。パスワードを思い出す時間が登録の一番の難所になるだろう。
登録さえ済めば、普段はスマホ側の暗証番号と顔や指のロックで通れる。カードの4桁を毎回打つ手間は消えるので、日々使うときの負担はぐっと軽くなる。
Android 12だけじゃ足りない
対応するのはAndroid 12以降の機種。しかも独立したハードウェアセキュリティチップ「StrongBox」を積んでいる必要がある。OSを上げても、チップの無い本体では使えない。
設定画面のバージョン表示だけ見て安心した人ほど、Google ウォレットの画面で固まるだろう。チップの無い機種では「機能限定」と表示されるケースがある。
救いは一つ。従来のスマホ用電子証明書なら、チップの無い機種でも引き続き使える場合がある。
この機能の利用料はタダだ。
値打ちを決めるのはスマホを買った日に払った設計代だ。安全チップを中に積んだ機種なら、本体代の一部がやっと役に立ち始める。同じAndroid 12でも、チップを積んでいない機種にカードの券面は入らない。
スペック表でOSの数字が派手に並んでも、カードを預けられるかは中の部品が決める。値札の中で僕が信じたいのは、まさにこういう見えない部品だ。
次にスマホを買う時、安全チップの有無を仕様表で探す人は増えると思う。
実物のカードは引き出しの奥で生き続ける。登録の日にも、対面確認アプリの無い窓口でも出番が来るからだ。
Androidのマイナンバーカードは財布を軽くする更新としては筋がいい。今日は設定アプリの「端末情報」で機種名を確かめて、StrongBoxを積んだ対応機種のリストと突き合わせてみてほしい。



