iPhone 14を持っていて、iOS 27.2の通知に即座に飛びついた人は多いと思う。更新を終えて設定をいくら探しても、日本語のSiri AIは出てこない。
端末はちゃんと正常に動いている。アップルが10月26日に始めた日本語の新機能は、iPhone 15のPro系2機種と16シリーズ以降でしか使えないからだ。
更新そのものはiPhone 11から入る。通知は届くのに、目玉の機能だけが届かない。
悔しくない?
更新とAIは別の線引き
OSを入れられる機種とAIを動かせる機種を、Appleは別々に決めている。iPhone 11から14までの世代は、OS側の線を越えてAI側の線で止められた格好になる。
「日本語対応」という大見出しは、全員に来たような顔をしている。対応表を見ると、対象外の機種がはっきり分かる作りだ。
看板の文字が大きすぎる。
対応言語は日本語を含めて5つ。フランス語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語が同時に加わった。しかもApple自身がベータ版と明記している。
完成品の顔をしたお試し版じゃない?
新しいSiriの手が届く先
Appleの案内では、新しいSiriはメッセージやメール、写真、画面に映った内容を読み取って答える。文章を書いたり写真を編集して共有したりもする。専用のチャット画面を開く道具とは別物で、iPhoneの操作に直接手を突っ込む設計になっている。
日本語でAIと話したいだけなら、iPhone 14でも今日から手段はある。グーグルのジェミニアプリは、iOS 16以降で動き、日本語にも対応している。
会話だけなら新しいSiriを待つ理由が無い。
新しいSiriが勝てるのは、標準アプリと画面と個人の文脈をまたいで動ける一点だと思う。雑談の賢さで競わせたら、先に日本語で走っているGeminiの方が手に馴染むはずだ。
AI目当てで買い替えを考えた人もいるだろう。本体代のうち新しいSiriの設計に払う取り分は、OS統合の部分しかない。しかも統合の中身はベータ版で、日次の利用制限まで付く。
未完成品のために本体代を丸ごと払うのは、広告に金を払うのと同じだ。
正式版になって制限が緩むまで、買い替えの理由としては弱いままだろう。
対応機種にも残る壁
15 Pro以降を持っていても、更新しただけで全部が開くとは限らない。Appleが示している制限は次の通り。
制限も残る。13歳未満は使えず、EUではスマホ・タブレット・腕時計のどのOSでも未提供だし、中国本土でも使えない。サーバー側のモデルに頼る機能には、1日あたりの利用制限がある。
日本は地域制限の外にいるので、国内で使う分には壁がひとつ減る。確認する場所は設定アプリ内のAI設定だ。言語設定とベータの表示もその画面で目に入る。
子どもに持たせたiPhoneで出てこないのは仕様通り。
日次制限は使い込む人ほどぶつかる壁で、ベータ版らしい細さを感じる。
AI抜きでも入れる理由
iPhone 14の人に残る更新の中身は防御になる。画像や動画、PDF、フォントを悪用する攻撃への修正が並んでいる。Bluetoothや権限、カーネルまわりの穴も塞がれた。
修正の数は100を超えると数えられている。Appleの一覧は部品ごとに修正を並べる形式で、件数は報道側の集計になる。
同じ日にiOS 26.7.2とiOS 18.7.11も出た。iOS 18.7.11はiPhone XSやXRに向けた更新で、古い世代にも守りだけは届けている。
AIでは容赦なく線を引くくせに、防御では誰も見捨てていない。悔しさは消えないけど、iPhone 14にとってiOS 27.2はタダで着られる防弾チョッキになる。新しいSiriは正式版まで待って、更新ボタンだけは今夜押しておく。
出典
- Apple「Siri AI is available in more languages starting today」
- Apple「Apple IntelligenceとSiri」
- Apple「iOS 27.2 / iPadOS 27.2 セキュリティ情報」
- Apple「Appleのセキュリティリリース」
- ケータイ Watch「iOS 27.2 / iPadOS 27.2が提供開始」
- ITmedia Mobile「iOS 27.2配信開始」
- PC Watch「AppleのSiri AIが日本語でも利用可能に」
- Google Japan Blog「GeminiアプリをiPhoneでも提供開始」
- Google Gemini ヘルプ




