
auでんち、東京都の戸建てに蓄電池を無料設置 申込条件と遠隔制御の仕組み
東京都の戸建てを持っていて、蓄電池を置くコストがゼロになる。そう聞いて「auでんち」の申し込みページを開くと、最初に対象条件が並んでいる。住宅の種別、年齢、既存設備の有無、遠隔制御への同意と、対象に入るための確認が先にくる設計だ。 🏠 申し込める住宅と人の条件 auエネルギー&ライフの「auでんち」は、auでんき ecoMプランまたはecoLプラン(東京)と組み合わせて使う家庭用蓄電池の設置サービスだ。初期費用・工事費・月額費用はかからず、蓄電池の利用開始後から毎月最大3,000円(税込)の割引が受けられる。 対象は東京都内(島しょ部を除く)の戸建住宅。マンションや集合住宅は対象外で、賃貸住宅も申し込みできない。住宅の所有者本人であること、18歳以上65歳未満であることも条件に入る。 au/UQのユーザーでなくても申し込み自体は可能だが、auでんき ecoMまたはecoLプランへの契約切り替えか新規加入は必須になる。 ⚙️ 既存の太陽光・蓄電池があると対象外 対象外になるパターンで特に大きいのが既存設備の問題だ。同じ建物にすでに蓄電池、太陽光発電システム、V2H充電設備等がある場合、本サービスの蓄電池は追加設置できない。 既存設備との組み合わせで使う想定のサービスではなく、蓄電池も太陽光もない状態の住宅に一式を導入する形だ。太陽光があって蓄電池だけ追加したいというニーズには対応していない。 ⚡ 電力の制御はau側が行う この蓄電池は、通常時にau側が遠隔で運転を管理する。充放電のタイミング、残量の設定、運転モードの切り替えはすべてau側が行い、利用者が手元で操作や変更をする手段はない。 背景には、この蓄電池を需給調整市場などで活用する仕組みがある。初期費用が無料になる理由は、東京都の補助金活用とこの電力市場での活用収益が組み合わされているからだ。 通常時の残量は30%以上を維持するよう管理されるが、この数値も利用者が変更する手段はない。 正直、ここは自宅の蓄電池として自由に操作できる設備ではない。au管理下の設備が自宅に置かれる形で、遠隔制御に同意できるかどうかが申し込みの可否を決める。蓄電池を自分の所有物として扱う感覚ではなく、電力会社のインフラが家の中に入ってくる感覚に近い。 🔋 停電時の使い方と設備仕様 停電時は蓄電池からの電力に自動切り替えされる。冷蔵庫、液晶テレビ、照明、スマホ充電などを使用した場合に最大22時間程度という目安が公式案内に記載されているが、実際の利用時間は電池残量と使用機器の消費電力で変わる。 機種は選べない。 設置される機種はPOWER DEPO RxまたはPOWER DEPO Hのいずれかだ。公称容量はRxが13.0kWh、Hが12.8kWhで、公式は冷蔵庫や照明、スマホ充電などを最大22時間使える目安を示している。 重量はRxが約168kg、Hが約230kg。これは家電の枠を超えた屋外設備に近い数字で、設置可否は現地調査まで確定しない。 📋 解約と補助金返還の条件 サービス途中で解約する場合は解約料33,000円が発生する。撤去費用はこの金額に含まれるが、補助金を受給している場合は助成金の返還相当額を別途請求される可能性がある。補助金には予算枠があり、満額支給にならないケースも公式案内に明記されている。 設置工事の開始は2026年7月1日以降で、工事完了から約1週間後にサービス利用が始まる。毎月の割引は利用開始後、遠隔制御の準備完了が確認された日以降に適用されるため、設置日にすぐ割引が始まるとは限らない。 東京都内の戸建て所有者で、蓄電池も太陽光も持っていない家庭には、導入コストを抑えて停電備えを作れる選択肢になりうる。ただし遠隔制御の条件は変えられないため、自分で充放電を管理したい人には構造的に合わない設計だ。 無料の言葉だけで決める話ではない。分岐点は、遠隔制御される蓄電池を自宅に置けるかどうかです。 🧾 出典 auエネルギー&ライフ公式: auでんち ギズモード・ジャパン: 蓄電池を無料置くだけ。電気代が月3,000円もお得になる、夢のサービス「auでんち」スタート(2026年5月15日) 資源エネルギー庁: バーチャルパワープラント・ディマンドリスポンスについて