Discord通話E2EEの対象範囲

Discord通話が標準でE2EEに、ただしStageとテキストは別扱い

友人とのDiscord通話、ゲーム中のボイスチャンネル、グループDM。これらの音声と映像の内容は、2026年3月上旬からDiscord側にも確認できない設計に切り替わっていた。 Discordが5月18日付の公式ブログで、音声・ビデオ通話のエンドツーエンド暗号化(E2EE)への移行完了を正式に発表した。設定を変える手順はなく、対象の通話では今すぐ有効になっている。 ただ、対象外になる種類と守られない情報がある。 🎙️ 音声と映像の内容は守られる ゲーム中にフレンドと話しているボイスチャンネル、あれはE2EE対象に入っている。DM音声通話、グループDM通話、サーバーのボイスチャンネル、Go Live配信が対象だ。Discordで友人と話す日常的な場面の大半はこのいずれかに当たる。 グループ通話では、参加者が増減するたびに鍵が更新される。退出した相手が後から通話内容を取り出せない構造になっている。PC、スマホ、ゲーム機をまたいで使われるサービスで、この範囲を標準化したのはけっこう大きい。DAVEの仕様書とライブラリを公開し、外部監査まで通しているのは、正直DiscordがE2EEを本気で実装した証拠に見える。 会話の種類 E2EE対応 DM音声/ビデオ通話 ✅ 対象 グループDM通話 ✅ 対象 サーバーのボイスチャンネル ✅ 対象 Go Live配信 ✅ 対象 ステージチャンネル ❌ 対象外 テキストメッセージ ❌ 対象外(計画なし) 実装はDiscordが開発したDAVEプロトコルを使用している。仕様書とライブラリはGitHubで公開されており、Trail of Bitsによる外部監査も実施済みだ。5月の発表まで知らないまま使っていた2ヶ月があった計算になるが、発表では「移行は2026年3月上旬に完了した」と説明されている。 ⚠️ ステージチャンネルとテキストは対象外 ステージチャンネルはE2EEの対象外だ。数十人から数百人規模のAMAやタウンホール形式の配信に使われる機能で、発言者(スピーカー)と聴衆が分かれる構造になっている。アーキテクチャが通常のボイスチャンネルと異なるため対象外とされており、大人数配信やイベント用途では従来と変わらない扱いだ。 テキストメッセージもE2EE化されていない。Discordは「現時点でE2EE化の計画はない」と明記しており、DM履歴やサーバーのチャットログの扱いはこれまでと変わらない。 Discordで日常的に使われるのは音声とテキストの組み合わせだ。ゲーム中にボイスチャンネルで話しながらテキストチャンネルで情報を共有するパターンが多い。音声の内容は守られるが、テキストで送った情報はE2EEの外側に残る。 📡 暗号化しても残る情報 暗号化の外側に残るのが、メタデータの扱いだ。 DAVEプロトコルのホワイトペーパーには、通話の存在、参加者、時間、使用パターンはサービス提供上観測され得ると明記されている。誰がいつ誰と通話したか、どのサーバーで何分話したかは、暗号化の範囲から外れている。 これは学校、職場、公開サーバーで使う場合に意味を持つ。会話の中身が守られても、参加履歴や時間帯の情報だけで活動の輪郭が見えることはある。プライバシー機能としては前進だけど、「完全に匿名になる」と受け取るのは違う。 通話内容の中身は守られるが、「この人とこの時間に通話した」という事実はDiscordが把握できる状態が続く。端末が侵害されていたり、通話相手が録音して共有したりする場合もE2EEでは防げない。Discordで通話している人は今すぐ何かをオンにする必要はない。ただ、テキストで送った内容とメタデータがE2EEの外にあることは、頭の隅に置いておきたい。 出典 Discord公式ブログ: Every Voice and Video Call on Discord Is Now End-to-End Encrypted Discord公式ブログ: Meet DAVE: Discord’s New End-to-End Encryption for Audio & Video Discord公式ブログ: Bringing DAVE to All Discord Platforms DAVE Protocol Whitepaper GitHub: discord/libdave Engadget: Discord now has end-to-end encryption on all calls

2026年5月20日 · 1 分 · テクぽち編集部